皆様楽しい夏休みをお過ごしでしょうか?
書評「音楽文学」の作品と曲のタイトルがなかなか集まらないようですね。
そこで、「書評はかきたいんだけどどうしてもテーマに合った作品が見つけられない」という方のために何か出来ることはないかと思い、こちらから課題本と課題曲を提示するという案がでました。
私が今までに読んできた本や夏休みに色々調べて探した音楽と関わりの高そうな本の中からピックアップしてみました。
「この作品なら書けそう」と思ったら是非、編集長の吉原さんに連絡してみてください。
また、「え??この作品もありなの?なら私この作品でやりたい!」など思った方も連絡してください。
それから!!前々から言っていますが質問疑問等ある人は、編集長の吉原さんでも良いですし企画立案の安井でもいいんで、どんどんメールを送って下さい。何か書きたいものあるけど「こんなんお門違いかも」とか「こんな質問したら恥ずかしい」とか悩んでいるくらいなら聞いてみてください。
頼むよ、まじで
さて、ではリストです。
一つでも気に入るものがあるのを祈りつつ。
気になるものがあったらアマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E5%92%8C%E6%9B%B8/b?ie=UTF8&node=465392 のレビュー見てみるのも手だと思います。
あとはブクログとか。
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※曲のあとのURL入れればyoutube でその曲聴けますんで。
★本:伊坂幸太郎「チルドレン」
曲:The Beatles「Hey Jude」
http://www.youtube.com/watch?v=eDdI7GhZSQA
The beatles 「 I Saw Her Standing There 」
http://www.youtube.com/watch?v=DsgWfAilIEM&feature=fvst
連作短編集。いかにも伊坂幸太郎らしい陣内という男が主人公。
連作短編のうち「バンク」に「Hey Jude」「チルドレンⅡ」に「 I Saw Her Standing There 」が登場します。
私はかなりこの陣内という男が好きだし、ストーリーもスリルがあって面白い。
伊坂幸太郎なので文章も読みやすいと思います。興味あったら是非。
★本:いと山秋子(いとは、糸が二つ並んだ字のやつ)「イッツ・オンリー・トーク」
曲:King Crimson 「Elephant Talk」
http://www.youtube.com/watch?v=Sf9Q0kFYsLQ
裏表紙のあらすじにかかれた「ひと夏の出会いと別れを、キング・クリムゾンに乗せて「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作」という文言を見るとマジで爽やかな感じしますが実際は太宰治の「人間失格」がギャグ小説に思えるくらい鬱々とした作品だというのが私の感想ですね。
嫌いじゃないけど、曲も不気味だし、そういうのが苦手な人にはオススメしません。
この作者、群馬FMでパーソナリティーやってたこともあって、かなり音楽好きみたいなんで、他の作品にもかなりの確立で何かしらの曲が登場しますよ。
★本:いと山秋子「ダーティ・ワーク」
曲:ローリング・ストーンズ
各章題、表題ともにがローリング・ストーンズの曲名となっている連作短編。
まあ、この話も一話を除いてあまり明るいとはいえないが、上記の作品よりは読後感良いかな?
★本:江國香織「赤い長靴」
曲:モーツァルト
ある夫婦の日常、妻の思いが十四章にわたりつづられた静かな物語。
音楽を主題にしている訳ではありません。
最後の章「熊とモーツァルト」にて妻がモーツァルトを聞くシーンが登場するだけですが、そのシーンはこの夫婦の関係を描く上で象徴的な場面になっていると思います。
★本:江國香織「雨はコーラがのめない」
江國香織は自分が「しばしば音楽にたすけられました」とこの作品の冒頭で書いています。
そんな江國香織が自分がきいてきた音楽と自分の愛犬「雨」について書いたエッセイ集。多くの曲が紹介されているのでこれと言って曲を挙げることは出来ませんが、この書評でどういったことを書けば良いか分らない(特に正解があるわけではありませんが)人には、この本で書かなくても書評をする上で参考になるかと思います。
★本:江國香織「神様のボート」
曲:ロッド・スチュアート「When I Need You 」
http://www.youtube.com/watch?v=y9Zczm7wSzI
「Have I told you lately 」
http://www.youtube.com/watch?v=bGEoR1f5aRc
消えてしまったパパを待つために引越しを繰り返す旅ガラスの母と娘の話です。
他にもこの作品には曲が登場していますが、本作の主人公はロッド・スチュアートの曲をお守りにしているので、これが良いかと。
まあ、後者の曲はカバー曲みたいですが。
★本:川端康成「雪国」
曲:東京事変「雪国」
http://www.youtube.com/watch?v=Ch2Gv1AJpAY
(著作権の関係で消されてるのかしら、すらっと見つかったのがMADだけでした)
これは本に曲が登場するわけではなく、曲が作品をイメージして作られたと思しきものですね。
残念ながら東京事変の「雪国」が川端康成のを意識して作られたという明確な文章を見たことがないのですが、本読んでて曲きくと、川端の「雪国」のこととしか思えません。
まあ、東京事変も川端も大好きなので興味ある方は是非。
★本:川端康成「雪国」
曲:坂本冬美「雪国」
http://www.youtube.com/watch?v=eBImmd5wcKg
まあ、こんなんも見つけたので一応。
作品をそのまま曲にしたって感じ。
坂本冬美さんは同じ様な試みを「羅生門」でもしています。
こういった試みをしているアーティストも多いと思うのでそういうのでやれる方は是非やってみて下さい。
★本:桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
曲:サンボマスター「さよならベイビー」
http://www.youtube.com/watch?v=p8CMDKU5zfw
私は高校生の頃この本を読んで「なんて日本語って美しいんだ!」と感動しました。それくらいの美文だと思います。
途中で挿入されるこのサンボマスターの曲、すごいピッタリだと思います。
日本海側の曇った寂しい冬の感じ、退廃的で美しいものが好きな方は是非。
★本:辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」
曲:Frank Sinatra 「Fly Me To The Moon」
http://www.youtube.com/watch?v=AbNj1f3Ey-I
辻村深月の第二作。なんと上下巻。なので長いのが苦手な人にはオススメしません。
あと、かなりテーマが重いので暗い話が苦手な人や、グロテスクな描写が苦手な人にはオススメしません。
ラストも大団円とはいきませんが、めちゃくちゃ格好良いラストだとは思います。
「Fly Me To The Moon」も言わずと知れた名曲、多くの人にカバーされていますが作中に登場するのはフランク・シナトラのバージョンです。
★本:畠中恵「とっても不幸な幸運」
曲;ベートーヴェン「エリーゼのために」
http://www.youtube.com/watch?v=tMDRvsVnkQA
流行の畠中恵の、あまり有名ではない作品。
「とっても不幸な幸運」という名前の(パーティーグッズと思しき)缶について、「酒場」というバーを舞台繰り広げられる連作短編。
この作品の第二話「飯田はベートーベンを聴く」に「エリーゼのために」が登場します。
軽い筆致で、非常に読みやすい。
★本:森絵都「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
曲:ロベルト・シューマン「子供は眠る」
http://www.youtube.com/watch?v=GqGWQPtkKuc&feature=related
バッハ「彼女のアリア」
http://www.youtube.com/watch?v=VSzpHraVD-4
サティ「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
http://www.youtube.com/watch?v=jaTbw9izTQY(だいたい1分55秒あたりからが、この曲です)
少女や少年の出来事をつづった短編集。
それぞれの短編のタイトルがクラシックの曲のタイトルになっています。
シューマンの「子供は眠る」は、「子供の情景」という曲の12楽章の章題ですが、「子供の情景」の殆どが登場するので全楽章聞いてみてもいいかもしれません。(全部きいてもそんなに長くない曲ですし)
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以下は私が読んだことない作品ですが、アマゾンのレビューとか見たり本をぱらぱら見て良さそうだと思った作品。
本:篠田節子『ハルモニア』
曲:バッハの曲がふんだんに盛り込まれているとのこと。
チェリストを主人公にしたちょっとSFちっくなミステリーみたいです。でもいちおう音楽小説でもあると。
この作者は『カノン』という作品もかいていて、こちらも音楽小説とのこと。
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その他、こちらを参考に考えてみるというのも面白いかもしれません。
楽曲にインスパイアされた文学作品↓
http://okwave.jp/qa/q505968.html
童話(&文学作品)をモチーフにした曲↓
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1415910304?fr=chie-websearch-1&k=34vV7tyQnZaZkZqGzpWui5CPlsuRqIbT46SZoJmWlZHh1IutlpmQj5bL6ZCei6OWlZDU6c7h54ajlVr%2F9UghD1MrAE4G9YlR5TNM8RJH7PtX7BmDWgQhkJCL193MkJ2WmZ%2BelJmjpIuahdXZ39fIi62Wi5qF3IupkJWLn5ba0YWui6KQkIvclqOQlKiapKeVmaaknajW49Xl08iLn5bdkJ2WmqGmmJqnqZ%2BlmZaVkeLT1Njii6iFpoubkNaLrZaakOA%3D
村上春樹の小説に登場する音楽を聴こう↓
http://ekusia-cdml.blogspot.com/
音楽を扱った作品(バンド物以外)↓
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2466435.html
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この記事を読んで何かやってみたい!と思った方は是非、編集長吉原さんや企画立案安井、はたまた仲の良い先輩などにご一報下さい!!!
文芸部三年 安井なつみ拝